ブルゴーニュ (Bourgogne)

立地/気候 (Location/Climate)

ブルゴーニュはフランスの東部地方に位置しています。黒ブドウのピノ・ノワール種と白ブドウのシャルド種ネから偉大なワインが生産しています。ブルゴーニュという原産地呼称を持つワイン地域は4つの県に広がっており5つの栽培地区に分けることができます。最北部にあるのはヨンヌ県のシャブリ地区で次のコート・ドール地区から130~150km離れています。それはさらにコート・ド・ニュイ地区とコード・ド・ボーヌ地区に細分されます。その南部にソーヌ・エ・ロワール県に位置するコート・シャロネーズ地区とマコネ地区があり、最南部にはローヌ県のボジョレー地区があります。

そのブドウ畑はボルドーとは異なり、ほとんどが標高の高いところに位置しています :

- シャブリ地区150~200m

- コート・ド・ニュイ地区225~350m

- コート・ド・ボーヌ地区225~380m

*コート・ドールのグラン・クリュやプルミエ・クリュの畑になると、標高250~300mのところに位置しています。

 

ブルゴーニュ地方の気候は大陸性気候です。ボルドーと比較すると冬は非常に寒く、春は似たような気温、そして夏は少々涼しい気候です。5月、6月、10月には雨が多くその被害を被ることがありますが、急斜面の地形であることにより水捌けがよく保護されています。また特にシャブリ地区では春霜による被害が多くなりがちですが、いぶし火を焚いたりスプリンクラーで水を撒くことにより芽を保護するなどの手段がとられています。

コート・ドール地区のブドウ畑は日照の恵を最大限に得ることができ、西部はモルヴァン丘陵によって強風から守られるという立地条件にあります。またコート・ド・ボーヌ地区はコート・ド・ニュイ地区より少々湿気が多く温暖なエリアのためブドウは少々早めに熟成します。全体的にはボルドーと比較して、より変わりやすく短い夏のためここでは早熟のブドウ品種であるシャルドネ種やピノ・ノワール種が成功しています。それらは重要な果実のアロマと酸を失わないためにも涼しい気候でも全体的によく育ち成功しています。ただし、ピノ・ノワールの果実はシャルドネと比較すると、熟成中はある程度の温暖さも必要とします。

 

歴史 (History)

ブルゴーニュ地方でのワイン造りの起源はローマ時代にまで遡ります。ブルゴーニュにおけるブドウの歴史は、教会と切っても切り離せないほど結びついています。なぜなら3世紀、この地方にキリスト教が布教したおかげで、ローマ人が去った後もブドウ畑は救われたのです。やがてベネディクト会やシトー会といった修道会がブルゴーニュワイン生産の最も重要な要因となり次第に発展していきました。

まず、910年にベネディクト派がクリューニー大修道院をマコネ地区に設立しました。そして彼らは1232年にはブルゴーニュ侯爵夫人によりサン・ヴィヴァン大修道院を寄贈され、それは今日のロマネ・コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リシュブール、ロマネ・サンヴィヴァンの畑にあたります。彼らは巨大な権力を持ち、1273年までには多くの畑を所有していました。

次に1098年にニュイ・サン・ジョルジュの近くにシトー派によりシトー修道院が設立されました。この修道僧たちがクロ・ド・ヴジョーの創設者です。1110年にブルゴーニュ侯爵により、ヴジ(Vougeot)の区画が寄贈され、1336年ごろまでには十分なだけのブドウ畑を所有していました。

 14、15世紀になると、ブルゴーニュ地方の世俗権力は100年以上にもわたってヴァロワ系の公族がにぎっていました。王国とその影響力は1363年から1477年までの4代にわたり、すなわち4人のブルゴーニュ公、フィリップ(二世)大胆公、ジャン(一世)不畏公、フィリップ(三世)善良公、シャルル(一世)豪胆公がその国家を維持しました。

その間、1443年にフィリップ善良公の財務卿/大法官であったニコラ・ロラン(Nicolas Rolin:1376~1462年)によってボーヌに慈善治療院(オテル・デュー)が設立され、そしてこの治療院は、その後、慈善のために寄付されたブドウ畑で経営されていくことになります。

しかしながら、1477年にシャルル豪胆公の戦場での敗北による死によって、王国ブルゴーニュはルイ11世の統治するフランスの中に再び戻ることになりました。君主政治が強くなり、キリスト教徒の勢力は次第に衰えていきました。それに伴ない、17世紀の間に寄贈された多くの有名なブドウ畑はディジョンのブルジョワ階級へと売却されていったのです。

そして18世紀末のフランス革命は後世に大きな影響を及ぼし、フランスの社会体制を覆しました。ブルゴーニュ地方のブドウ畑に関しては所有権の極端な細分化が起こりました。これには2つの理由がありました。まず、教会や貴族に属していた大規模なブドウ畑はすべて押収され、せり売りされて細分化しました。こうして1つの大きなブドウ畑はいくつもの小さな畑へと変わったのです。さらに劇的な変化が相続財産に関するナポレオン法によってもたらされました。この法律の下に、個人の所有物の大半はその子供に同等に分け与えなければならなくなりました。そして時代を経るに従ってさらに細分化されていったのです

今日、ボルドーではシャトーの所有者は基本的に一人もしくは一企業が大半で、各シャトーの畑、区画は同じ栽培者によって管理され、すべてのワインは質とスタイルの一貫性をしっかりと請け負う醸造チームによって、いつも同じ醸造所で造られているのに対し、一方、ブルゴーニュでは、歴史上、ブドウ畑は多数の所有者によって分割され、各自がそれぞれのワインを造っています。

これらが今日のブルゴーニュワインの理解を困難にしている原因であり、従って、ブルゴーニュに関しては、ブドウ畑や村名を知るだけでなく、栽培者の良し悪しを知ることもまた重要になっています。

 

土壌 (Soil)

コート・ドール地区 (Cote d’Or)

コート・ドールの土壌をみると、特にどのブドウ品種がそれぞれの土壌の構成に従い栽培されているのか、よい例えとなっています。コート・ド・ニュイ地区ではピノ・ノワール種、コート・ド・ボーヌ地区ではシャルドネ種がより栽培されていますが、その理由のひとつは土壌の違いによるものです。すべてのタイプの石灰質土壌はブドウ栽培に適しており、排水に優れ、また逆に成熟期には過剰な水不足を避け根から水分を吸収してくれます。それらはよりシャルドネ種に適しています。ただし、その石灰のPHが高いと(酸が低い)ミネラル分(カリウムなど)に限界があるため、その結果、ワインの酸味が不足してしまします。また粘土、泥灰土や鉄分の多い赤土ではピノ・ノワール種が多く栽培されており、それはよりコート・ド・ニュイ地区でみられます。これらは日中の熱をより吸収し、夜間その熱をブドウ畑に放出してくれるため 晩秋、ブドウが熟成する最終段階に気温を10℃以上に保ってくれます。そして朝、太陽が昇ると同時に光合成を始めることができるのです。色づきがよく、香りの良いワインを生産します。

例えば、

コート・ド・ニュイ地区にあるボーヌ・ロマネ村では石灰質土壌を下層土に表土は粘土と泥灰土の比率が非常に高い土壌で構成されています。

- ロマネ・コンティ

茶系石灰質土壌に45~49%粘土を含んでいます。

- ラ・ロマネ

粘土の比率は低めですが、茶系石灰質土壌にRendzina(テラロッサTerra Rossa(赤土)の仲間)をより含みます。

 

コート・ド・ボーヌ地区にあるピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシャ村では石灰岩をベースにウーライト(魚卵状)石灰岩と呼ばれるもろく、軽い土壌が一般的にコート・ド・ニュイより多く点在し、より水掛けがよく、また保水性に富む下層土に表土は泥灰土や多少の粘土から構成されています。(ウーライト:球形粒子の炭酸カルシウムで多孔性でより排水に優れています)

 

シャブリ地区 (Chablis)

ここでは伝統的に下記の2つの主なタイプが存在しています。それらは石灰岩と粘土が合わさったもので大量の牡蠣の貝殻の化石を含んでいます。

- 粘土を含むキンメリッジ土壌

(すべてのグラン・クリュの7畑はこの土壌にあります)

- 粘土を含むポートランド土壌

(ほとんどのプティ・シャブリの畑はこの土壌にあります。 その構造はキンメリッジと似ていますが、一般的にキンメリッジと比較すると、最終的なワインへのフィネスに欠けるように思われます。)

 

栽培 (Viticulture)

ブルゴーニュ地方の栽培密度は非常に高く約10,000本/haです。主にピノ・ノワール種とシャルドネ種が栽培され、偉大なワインが生産されています。ブドウの樹の仕立て方は主にピノ・ノワールはシングル・ギュイヨ型整枝法、シャルドネはコルドン・ド・ロワイヤ型整枝法で仕立てられています。またそれらは非常に低く仕立てられており、なぜなら冷涼な気候のため土壌から反射した昼間の熱を夜間にブドウの樹へ運搬するためです。

ブルゴーニュの最高収穫量 : 赤ワイン - 40hl/ha(村名、プルミエ・クリュの場合)

35hl/ha(グラン・クリュの場合)

白ワイン - 45hl/ha(村名、プルミエ・クリュの場合)

40hl/ha(グラン・クリュの場合)

但し、ほとんどのヴィンテージで20%(場合によっては30%)までのPLC(基本収量に上乗せされる割り増し収量の上限)が認められています。

特にピノ・ノワールのような色素や香味成分の薄い黒ブドウから造られる赤ワインにおいては特に重要で、収穫過多の場合は色が薄く、水っぽいものとなってしまいます。

 

ブドウ品種 (Grape Varieties)

ブルゴーニュでは主に赤ワインはピノ・ノワール種、白ワインはシャルドネ種から造られ、世界中でも長命で偉大なワインが生産されています。ここではボルドーワインが多種をブレンドして造られるのに対し、単一ブドウ品種のみで造られます。

 

ピノ・ノワール (Pinot Noir)

ピノ・ノワールはブルゴーニュの主要な黒ブドウ品種です。ピノ・ノワールの個性はある程度の甘い果実香味と一般的に他のフランスの偉大なカベルネ・ソーヴィニョンやシラーなどの黒ブドウ品種より低いレベルのタンニンと色素と言えます。病害を受けやすく(クローンによる)熟成は容易でなく収量は中程度です。発芽が早いため春霜や花ぶるいの影響を受けやすいため低い平地で湿気のある冷たい土壌は避けた方がいい品種です。フランスでは50種類以上のピノ・ノワールのクローンが公式に認められています。特に生産性、腐敗菌に対する抵抗力、熟成しやすさ(一様ではない)などからピノ・ノワールのクローンを選択することが可能でまた重要になっています。この品種は絶えず状態を監視し、ヴィンテージごとの要求に従った優れた技術調整を必要とするので醸造が難しいとも言えますが、偉大なワインを生産し、長期熟成にも耐えることのできる偉大な赤ワインを生産しています。

 

シャルドネ (Chardonnay)

シャルドネはブルゴーニュの主要な白ブドウ品種です。 フルボディのワインを造り、その香味はシャルドネが持つ自然なアロマというより醸造方法(例えば、オークの樽で熟成させるとか)によりそのフレーバーが形成されていると言えます。耐寒性と順応性があり収量もよく石灰質土壌に向いています。収穫のタイミングが決定的に重要であり、シャルドネはその大変重要な酸をブドウの熟成期の後半にすぐに失ってしまうからです。フランスでは約34種類前後のクローンが正式に認められています。ブルゴーニュにおけるクローンの選択技術に対する熱心な取り組みによってブドウ栽培者たちが幅広い種類のシャルドネのクローンから特に生産性に応じてクローンを選択できるようになっています。ピノ・ノワールと同じく、偉大なワインを生産し、長期熟成にも耐えることのできる白ワインを生産しています。

 

白ワイン (White wine)

ブルゴーニュ地区の最高の白ワインは主にコート・ド・ボーヌ地区で生産されています。世界中でも最も洗練されたフルボディの辛口ワインで、主な村名AOCは、アロース・コルトン、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラシェなどです。そこにはグラン・クリュ畑も存在し、それらはコクがあり、ふくよかで肉付きのよいワインで長期熟成にも耐えうるワインです。非常に希少なコート・ド・ニュイ地区のミュジニーの白を除いて、あらゆる白ワインのグラン・クリュはコート・ド・ボーヌ地区で造られています。また最北部にあるシャブリ地区でもグラン・クリュやプルミエ・クリュの長期熟成向き白ワインが生産されており、若いうちはわずかに緑色を帯び、特有の酸を持つ鉱物的なニュアンスのある辛口白ワインが造られています。

 

赤ワイン (Red wine)

ブルゴーニュの最高の赤ワインはコート・ド・ニュイ地区で生産されています。それぞれの村ごとに特徴があり、例えば、果実香味と優美さ、芳醇さとボディの見事な調和を持つAOCボーヌ・ロマネ村、また非常にエレガントでピュアな果実香味にしっかりとした軸を持つAOCシャンボール・ミュジニー村など。コート・ド・ボーヌ地区のコルトンを除くすべての赤ワインのグラン・クリュはコート・ド・ニュイ地区で造られています。若いうちには華やかな香りでピュアな赤いベリー系の果実を思わせ、熟成ともとに凝縮された立体感のある偉大なワインへと変化していきます。

 

Vins de Bourgogne

 

Bourgogne Blanc

Bourgogne Rouge